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アンダーフィル樹脂の注入方法

【発明の名称】 アンダーフィル樹脂の注入方法
【発明者】 【氏名】小林 宏和
【住所又は居所】東京都狛江市和泉本町1丁目8番1号 キンセキ株式会社内
【課題】フリップチップ工法とアンダーフィル樹脂を注入により半導体素子を実装し、圧電振動子と組合わせた圧電発振器で、アンダーフィル樹脂の熱膨張による半導体素子の剥離を改善することを目的とする。

【解決手段】課題を解決するために本発明は、半導体素子と、前記半導体素子が実装される配線基板と、前記半導体素子と前記配線基板がフリップチップ接続されており、前記半導体素子と前記配線基板の隙間を充填するようにアンダーフィル樹脂の注入方法において、前記アンダーフィル樹脂は前記半導体素子と該配線基板の一部にアンダーフィル樹脂を形成しない部分を設けたことを特徴とするアンダーフィル樹脂の注入方法とすることで課題を解決する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 半導体素子と、前記半導体素子が実装される配線基板と、前記半導体素子と前記配線基板がフリップチップ接続されており、前記半導体素子と前記配線基板の隙間を充填するようにアンダーフィル樹脂の注入方法において、前記アンダーフィル樹脂は前記半導体素子と該配線基板の一部にアンダーフィル樹脂を形成しない部分を設けたことを特徴とするアンダーフィル樹脂の注入方法。
【請求項2】 請求項1記載のアンダーフィル樹脂は、前記半導体素子と前記配線基板の導通部以外に形成することを特徴とするアンダーフィル樹脂の注入方法。
【請求項3】 請求項1記載のアンダーフィル樹脂は、前記半導体素子と前記配線基板の導通部分に形成することを特徴とするアンダーフィル樹脂の注入方法。
【請求項4】 請求項1ないし請求項3に記載のアンダーフィル樹脂は、前記半導体素子と前記配線基板の導通を取る前の段階で前記アンダーフィル樹脂を形成することを特徴とするアンダーフィル樹脂の注入方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、フリップチップ工法により半導体素子を実装し、圧電振動子と組合わせた圧電発振器で、圧電発振器の品質向上に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から用いられている一般的な圧電発振器は、積層基板に発振回路用印刷パターンを配置したものや、単板基板に多層印刷を施し導通パターンを配置した基板に発振回路を構成する電子部品を集積化した半導体素子をワイヤーボンディングを中心として配線し実装している。そして、最近では半導体素子の実装に必要な面積の小型化、薄型化を達成するフリップチップ実装技術を用いた半導体装置の先行技術を応用した実装工法も取り込まれている。
【0003】フリップチップ実装の場合には、基板と半導体素子との電気的な導通は図れるものの、基板と半導体素子の固着を支援するために周知のようにアンダーフィル樹脂を基板と半導体素子の隙間に流入させ半導体素子の固着を行うことが知られている。アンダーフィル樹脂は粘性の低いエポキシ系の樹脂材料で、固着を行うためには半導体素子と基板とをフリップチップ工法で電気的な接続を行った後に、半導体素子と基板との隙間に注入し流入させた後、アンダーフィル樹脂を一定の熱硬化条件により、アンダーフィル樹脂を硬化乾燥させる必要を伴っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の半導体装置では、半導体装置の実装におけるリフローや半導体装置の高温保存等環境試験時に、半導体素子と基板の隙間を封止するアンダーフィル樹脂が熱膨張するため、半導体素子と基板との間に引き剥がす応力が生じ、接合部が剥離するために電気的な接続面での信頼性を低下させるおそれが考えられる。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため本発明は、半導体素子と、前記半導体素子が実装される配線基板と、前記半導体素子と前記配線基板がフリップチップ接続されており、前記半導体素子と前記配線基板の隙間を充填するようにアンダーフィル樹脂の注入方法において、前記アンダーフィル樹脂は前記半導体素子と該配線基板の一部にアンダーフィル樹脂を形成しない部分を設けたことを特徴とするアンダーフィル樹脂の注入方法である。
【0006】その具体例として、アンダーフィル樹脂は、前記半導体素子と前記配線基板の導通部以外に形成すること、あるいは、前記半導体素子と前記配線基板の導通部分に形成することを特徴とするアンダーフィル樹脂の注入方法である。
【0007】要するに、アンダーフィル樹脂は、前記半導体素子と前記配線基板の導通を取る前の段階で前記アンダーフィル樹脂を形成することで、従来では基板と半導体素子の導通(接続と固着)を図ってからアンダーフィル樹脂を注入していたことに対し、基板と半導体素子の電気的な接続を取る前にアンダーフィル樹脂を形成し、その後に電気的な接続を行うことを特徴とするものである。
【0008】このとき、上述のようにアンダーフィル樹脂の形成部分として、前記半導体素子と前記配線基板の導通部以外に形成すること、あるいは、前記半導体素子と前記配線基板の導通部分に形成することにより、半導体素子と基板の隙間を封止するアンダーフィル樹脂の熱膨張を要因とする半導体素子と基板との間に作用する引き剥がし応力を低下させ、接合部の剥離を解消し電気的な接続面での信頼性を向上させることができる。
【0009】
【背景】最近の傾向として無線通信機器や携帯電話機など移動体通信分野を中心に小型化、軽量化、低価格化が急激な展開を見せている。そのため、これらの要求に対応した温度補償発振器の小型化、低価格化を実現しようとすると、積層基板の同一平面上に半導体部品と気密封止された圧電振動子とが搭載される構造になっているため、圧電振動子の気密容器構造分だけ搭載面積が必要となり、小型化する上で制約を受けることになる。そのため、圧電振動子と半導体素子を立体的に別々な配置環境とし、圧電発振器自体を小型化する傾向が強まっている。また、圧電振動子と半導体素子を立体的に配置することにより、特に温度補償型圧電発振器の場合では、半導体部品からの放熱の影響を圧電振動子が受けにくいことから温度補償特性の維持も改善できている。
【0010】一方、低価格化の実現については、温度補償発振器を構成する圧電振動子と半導体部品とでは、圧電振動子の費用に対し半導体部品の費用の方が高く、温度補償発振器の不良の要因は圧電振動子の諸特性に起因する場合が多いことから、組立前の圧電振動子の所望特性を満足させることと、半導体部品の消耗を抑える必要とが考えられ、更に低価格化を進める上では、圧電発振器を構成する主要部品(容器、圧電振動子、半導体部品)のコストダウンも重要となっている。
【0011】本願発明は、フリップチップ実装技術を導入することで、圧電発振器自体の厚み(高さ)方向を低くすることに寄与し、フリップチップ実装技術を用いることによる半導体素子と配線基板の間に引き剥がす応力による、主に接続部や実装部に剥離が生じ電気的接続が妨げられる不具合点を解消することを主眼にしたもので、半導体素子と基板とに隙間にアンダーフィル樹脂が充填しないように工夫した点を特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に従ってこの発明の実施例を説明する。なお、各図において同一の符号は同様の対象を示すものとする。本実施形態の圧電発振器について、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態の一例として圧電発振器に半導体素子1を実装した状態を示した側面図である。図1に示す圧電発振器は、半導体素子1と、半導体素子1の電極4とがフリップチップの形態で基板2(圧電発振器を構成する容器)と電気的な接続(図示しない)と固着がとられている。
【0013】ここで、半導体素子1と基板2との隙間にアンダーフィル樹脂3(封止樹脂)を注入し硬化することで、基板2と半導体素子1との固着を支持する形となり、フリップチップだけでは得られない半導体素子1と基板2との固着保持強度を向上することができる。
【0014】図2は本発明におけるアンダーフィル樹脂3の形成位置を説明する半導体素子1のフリップチップ(電極を有する)を行う面からみた平面図である。図2(a)ではアンダーフィル樹脂3の形成場所を半導体素子1の電極4部周辺を中心に形成した場合の平面図あり、図2(b)は半導体部品の電極4部以外にアンダーフィル樹脂3を形成した場合の平面図である。このように図2のようにアンダーフィル樹脂3を形成することで、アンダーフィル樹脂3を硬化乾燥した後の製造工程における再加熱(はんだリフロー工程や温度環境試験工程)による、アンダーフィル樹脂3からの脱泡を速やかに行えることから、従来技術に挙げる半導体素子1と基板2の隙間を封止するアンダーフィル樹脂3が熱膨張するため、半導体素子1と基板2との間に引き剥がす応力発生を解消することができる。
【0015】なお、図3には本願発明のアンダーフィル樹脂3を形成するタイミングを示すブロック図である。図3(a)は本発明の工程で、図3(b)は従来からの工程図を示すもので、半導体素子1をフリップチップボンダーで実装し、その後、アンダーフィル樹脂を注入する。従来と本願発明の大きな相違点は、本発明ではアンダーフィル樹脂3を形成(注入)する順番であり、基板2に半導体素子1を実装する前に予めアンダーフィル樹脂3を形成し、アンダーフィル樹脂3の注入量を加減することができる。従って、アンダーフィル樹脂の粘性については、予め塗布に適した粘度に調整したものを使用するかあるいは、アンダーフィル樹脂をシート状に成形したものを使用する。その後、フリップチップボンダーにより半導体素子1の実装を行う。そして、アンダーフィル樹脂を硬化させる。
【0016】図4には図2(a)に示すアンダーフィル樹脂3の形成の一実施例に基づいて、半導体素子1とアンダーフィル樹脂3との隙間の状態を示した概念図であるが、アンダーフィル樹脂3を形成した後の半導体素子1と基板2との概念図からも分かるように、半導体素子1と基板2位置との隙間にはアンダーフィル樹脂3からの脱泡経路を確保することから、従来の課題を解決するものである。
【0017】
【発明の効果】本発明により、半導体装置の実装におけるリフローや半導体装置の高温保存等環境試験時に、半導体素子と基板の隙間を封止するアンダーフィル樹脂が熱膨張するなどがあった場合でも、半導体素子と基板との間に膨張を吸収する余裕を確保することにより、フリップチップ工法による電気的な接続面での不具合を解消することで、製造工程における歩留まりの向上と品質管理の強化を行うことができる。
【出願人】 【識別番号】000104722
【氏名又は名称】キンセキ株式会社
【住所又は居所】東京都狛江市和泉本町1丁目8番1号
【出願日】 平成13年11月30日(2001.11.30)
【代理人】
【公開番号】 特開2003-168695(P2003-168695A)
【公開日】 平成15年6月13日(2003.6.13)
【出願番号】 特願2001-366034(P2001-366034)

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